スタフグレーションについて1回目は人件費と値上げ、2回目は金融と構造転換と書いて来ました。
今回は、対応策について考えます。
経営は「人・物・金・情報」と言いますが、景気が悪いと言って人にやめて頂くのは乱暴ですし、値上げしたいと言っても相手あっての事、また、手元に余裕資金があっても放置しておくとインフレなので目減りしてしまうので構造転換を考えるのだが難しいという流れでした。
しかし、難しいからこそ成し遂げたら凄い事になるのです。
例えば、紙業界で有名なコクヨは当時の和式帳簿の表紙をつくる会社として1905年に創業したのですが、当時には全国各地に紙問屋がいたのです。
それが117年経過するとコクヨは業界No.1企業になったが、他の多くはカウネットに代表されるB2BやHC・コンビニ・百均などに侵食されて市場から消えているのです。
その分岐点は文具メーカーになり事務機や事務家具などを幅を広めた事にあります。
出発時には規模的に遜色なかってもメーカーというポジションを持ち続けたコクヨが業界No.1になったのです。
「不易流行」と言いますが、守るところと変えるところがあるのです。
換言すれば、儲かっているうちに次を用意する事です。
2回目の構造転換が難しいと嘆く方がいらっしゃいますが、やり方を工夫すれば出来る事があるのです。
例えば、左掲はお客様を売上と粗利率の2軸で分析した物です。
SA層とA層は売上だけで見ると良いお客様ですが、粗利率で見るとトンデモナイ事実が隠されているのです。
例えば、A層のお客様で週に10万円の売上があるが粗利率が低いという条件ですが仮に10%とすると粗利は1万円なのです。
しかし、同じ10万円でも、まとめて10万円なら1回で1万円の粗利だが、日に2回配達するようなお客様なら週に10回なので1回平均は1千円なのです。
要は売上を伝票単位で分析すると見えて来るのです。
かさばって重要物なら運賃は高くなりますし、小さく軽量なら営業のついでに配達できるのです。
仮に、1回1千円平均かつ小さく軽量なので営業が配達としても人件費の問題が出るのです。
サンクコスト(見えない原価)と言いますが、これを見落としているのです。
あるお客様で伝票単価が少ないと運賃を頂く事を通知したら、すんなり了承してくれたのです。
そのお客様曰く「貴社が応じてくれているのに甘んじていた」との事。
営業が言い出さなかっただけなのです。
計画的に発注するようになり、さらに、取引額も多くなったのです。
もちろん、取引が減少する事も覚悟ですが、減った分、別の事に時間を割けることが可能なのです。
故船井先生は「圧縮付加法」を教えて下さいました。
スペースを半分にして圧縮すると決めて、はみ出したものは換金して新しい商品の資金にするという方法です。
同じなのです。
時間を圧縮して、浮いた時間で別の事をするのです。
この原理を実践して新商品や新事業にチャレンジするのです。
チャレンジした方が壁にぶつかりながら創発進化するのです。
方法はシンプルなのですが、ポイントは何を圧縮して、何を付加するかなのです。
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