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2008年3月 6日 (木)

フルスイング

■「フルスイング」

今年の1月から2月にかけて、NHKが「フルスイング」という6回シリーズ
のドラマを放映しました。

この番組は、元プロ野球コーチで、落合選手やイチローという大打者を育てた
高畠さんを主人公にしたドラマです。

それぞれのポイントをNHKのホームページから抜粋しますと

★第1話のことば…

「大きな耳 小さな口 優しい目」
  …コーチの仕事は教えん事、それがワシの信念でした。無理やり教えても、
 選手の迷惑じゃ。選手が苦しんで、悩んで、高さん指導して下さい言うて
 来るまで待つ。大きな耳、小さな口、優しい目で待つんですわ…

★第2話のことば…

「才能とは、逃げださないこと」
  …生徒に何を伝えればいいかわからんけど、私なりにひとりひとりに向き
 合っていきます。
 何かあった時、そうだ高林がおったな、って思い出してくれればいいんじゃ
 ないかと。いつでも来やすいように、手を広げて待っててやろうと。…

★第3話のことば…

「大丈夫、それでいい」
 …(野球部中村の手のひらを見て)いい手じゃ、よう練習しとる手じゃなぁ。
 これなら大丈夫。何も変えんでいい。今まで通りでええんじゃ。この手を
 信じてな…

★第4話のことば…

「相手の目をよく見て」
 …キャッチボールの基本は、まず相手をよく見て、次にボールをよく見る
 ことです。無理せんと、キャッチできる距離まで近付きましょう。ナイス
 キャッチ!!…

★第5話のことば…

「ソッ啄(ソッタク)」
 …「ソツ」(口へんに卒)は卵が孵る時にヒナが殻の内側から鳴く声、
「啄」は母鳥が外から殻をついばむことを表します。つまり、ソツ啄とは
 親と子、師匠と弟子のタイミングが合う事が、理想の指導っちゅう意味
 です…

★最後のことば…

「氣力」
 …ワシはな、諦めん気持ちこそ、氣力じゃといいたい。諦めちゃいかん。
 ワシも、皆んなもじゃ。九回裏、ツーアウト、ランナーなしでも、何点
 離されておっても、諦めん気持ち、それが氣力じゃ。氣力はな、人を思う
 事で強くなる。思われる事で、もっと強くなる…

と紹介されています。

私は、最初の「大きな耳 小さな口 優しい目」という言葉に引かれてこの
番組に興味を持ったのです。

全部を見た訳ではないのですが、
「夢」⇒「壁」⇒「人間力」⇒「支援力」⇒「関係力」⇒「真因」⇒「気力」
という流れになっていると理解しています。

「夢」・・「イケル」という直観力が働き「夢」を膨らます
「壁」・・しかし、現実には専門性という「壁」が高く立ちはだかる
「人間力」・・その専門性という「壁」を突破する「情熱」という「人間力」
「支援力」・・受け入れられて自分の得意分野で力量を発揮する
「関係力」・・強烈な壁に「近づく」という事で「心」を開く
「真因」・・上辺のことに目を奪われずに、物事の本質を読む
「気力」・・どんなに追い込まれても「最後まであきらめずにフルスイング」

主人公の高林先生は、毎朝、校門に立ち、登校する生徒に
「未来の大リーガー」
という風に、それぞれの生徒の○○を呼びかけていました。

「人は暗示で9割動く」と言われますが、
毎日、毎日、「未来の○○君」と呼びかけることで、
どれほど生徒の心に入り込んだものかと思います。

たしかに、「夢」が人の原動力なのかも知れません。

それぞれの「人」には、環境の違いから個性が出て来るのですが、
例えば、落合選手やイチローという「変則型」の選手の場合、
いわゆる、プロの常識ではアウトローなのです。

彼らが巨人軍のようなチームに入団しておれば、
駒田選手がOB連中にいじられて大成できなかったように、
それぞれのOBコーチが強いる持論に圧倒されていたように思うのです。

野茂投手や岡島投手も超変速フォームの選手です。

それが、大リーグという舞台で「個性」を発揮したのです。

この「個性」を育成するという姿勢が高畠さんの主義のようです。

59才で高校教師になり、僅か1年でガンに倒れられたそうですが、
彼が教えた「フルスイング」という理念は、生徒の心に深く刻みこまれた
ものと思います。

この感動のドラマは、原作本が出版されているようです。

ご興味のある方は、読まれる価値は十二分にあると確信します。

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