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2007年6月11日 (月)

時間を流すな

◆「時間を流すな、迎え撃て!」

もう20年位前の話ですが、当時、勤務していた会社の秘書室で一冊の本が
ブームになっていました。

ある日、秘書の一人から「栩野さん、こんな本ご存知ですか?」と見せられた
のが二谷友里恵さんの「愛される理由」という本でした。

松田聖子さんと噂のあった郷ひろみさんと結婚した方です。

お父さんは二谷英雄さんで、俳優で有名な方でした。

私は、どうせ「のろけ話」が書いてあるのだろうと思いましたが、貸してくれ
ると言うので読むことにしたのです。

大半は、想像の通りでしたが、この「時間を流すな、迎え撃て!」というワン・
フレーズだけが今も心に残っています。

通常の芸能人の自慢話と思い込んでいたのですが、二谷英雄さんが娘さんを
厳しく育てたということが垣間見ることができました。

◆人生の岐路で判断の基準に

サラリーマン生活というものは「時間」を担保にして成り立っている面があり
ます。

多くの方が自分の「やりたい」事を出来ているという訳でなく、「希望」とは
違う「仕事」をこなしているというのが実態ではないかと思います。

私は、お蔭さまで新卒で会社に入った時から、十河さんという立派な上司に
恵まれて、概ね、自分のやりたい仕事をさせて頂きました。

と言うよりは、自分で仕事をクリエートしたという方が正しいかも知れません。

そんな私にも43才の時に「人生の岐路」が訪れたのです。

ある日「業務課長を命ず」という辞令が発令されたのです。

それまで、経営企画室の次長として全社的な仕事をしていたのですが、
ライン業務を行なうという辞令でした。

経営企画時代には、トヨタ自動車と物流改善モデル店のリーダーをしたり、
IBMとSISシステム構築のリーダーなどをしていたのです。

こんな状態から突然、ライン業務への辞令でした。

私は、大いに悩んでいた時に、友人が「時間は2度ない、廻り道しない方がよい」
とアドバイスしてくれたのです。

もちろん、他の友人は「時間が経てば状況は変わる」とも言ってくれたのでしたが、
好きでもない仕事で時間を流すことができなかったのでした。

思い悩んだ末に「退職願い」を出しました。


◆「時間」が一番大切!

それから、15年が経過しました。

関係会社で約3年勤めた後、独立したのでした。

丁度、46才の時に「旅立ち」したのです。

それまで、長い間、内勤関係の仕事をしていたので「人脈」が限られていました。

コンサルタントの仕事では「人脈」は全く役に立たなかったと言えます。

経営には「人」「物」「金」「情報」の4資源が必要だと言われていますが、
その殆どが「ゼロ」からスタートしました。

無謀と言えば、この上ない「無謀」な独立でした。

しかし、コツコツと

「人」・・お客様・協力者を作って行く

「物」・・「Faxちらし」というコンサルティングを商品化

「金」・・退職金を充当

「情報」・・データベースを購入

という具合で、12年頑張って来ました。


そのご褒美に、今、大きなプロジェクトに巡り合い、長期的に安定した経営が
可能になりました。


12年の歳月、57歳という年齢を考えると「時間を流さなかった」という判断が
正しかったと言えるかも知れません。

(何事も「勝てば官軍」ですね!)

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