「選択と集中」
「選択と集中」
私は‘95年に経営コンサルタントとして創業したが、
「憧れ」が優先して具体性に乏しい状態だった。
サラリーマン時代はトヨタ系販売店で
「トヨタ方式」を学び「改善指導」の体験を積んだ
がIBM特約店で営業を始めると
「トヨタ」って、意外に嫌われている
という事が分かったのだ。
そこで、「憧れ」の経営コンサルタントを目指すために
「仮面」を被ろうと考えて
当時、流行っていたスクールの中で「船井」を選び、
客員経営コンサルタントの資格を得たが、
確かに「船井流」と名乗れるが「Do―How」がなかった。
友人が「PL法セミナーを手伝わないか」と誘ってくれて、
運よくフォロー客から「声」がかかった。
このお客様は建設機械の製造卸をされており、
最大の課題は「自社⇒販売店⇒ユーザー」という流通ルートで
「情報」が末端まで浸透するのに半年以上かかる
という事だった。
当時、IBMなどは
「情報を制する者は市場を制す」
と言っていたので「情報」がキーだと考えた。
しかし、如何にして「情報」を流すかが課題であり、
当時、ウインドーズ95が出て「インターネット元年」と言われたが
ネット回線も64kbpという風な状況で
例えば、画像の多いHPをダウンロードするのに何十分もかかる
という状況だった。
故船井先生は「時流適応・力相応・一番主義」と教えてくれたが
「時流」は「情報を制する者は市場を制す」
「力相応」は企業なら100%普及のFaxを活用する
「一番主義」はオリジナルFaxコンテンツづくり
と整理した。
しかし、課題は「コンテンツ」づくりの経験がない事だった。
新入社員の頃に「セールスブレティン」を担当した経験があるので
船井で教わった「ちらし」術をFaxに応用する事にした。
そこで、Do―Howを蓄積する為に
「AMIコンサルティング Fresh&Hot情報通信」
と銘打った機関誌を月2回発行するようにした。
さらに、記事を書き続ける「仕掛け」として
「日本経営品質賞」の各要素を8回に分けて連載する
と宣言した。
故船井先生は「3回安定10回固定の法則」とおっしゃったが、
「3回」の「壁」を突破して
書き続ける「癖」を身につけたのだった。
話は前後するが、
お客様で「情報をFaxで末端までダイレクトに案内する」という効果は
僅か半年で年商16億円ペースを20億円までアップ
という脅威の効果が出たのだった。
メーカーなので価格表示せずに「3プラス1」の手法で、
搬送ポンプの消耗品ポンプチューブが飛ぶように売れた。
もちろん、お客様は大喜びだったが、
何事も「反対」する人がいるもので、
「将来の需用を先食いするだけだ」
という役員がいたので、この企画が頓挫したのだった。
しかし、「イチオシ」情報として工法の提案を継続して、
お客様が静岡で葬儀に出席した際に
「ご無沙汰しています」
と挨拶したら、異口同音に
「あなたが業界の為に思ってくれていることに感謝している」
と「イチオシ情報」を評価されたとおっしゃった。
本来、企業診断で販売網づくりを提案していたが、
先ほどの役員の反対があり「商品情報」が途絶えたのだが、
「イチオシ」という形で機能していた。
この成功で「自信」を持ちセミナーで「売上UP」と叫び、
多くのお客様とコンタクトがとれたのだ。
中には、
手芸製造卸で「除電リング」が僅か3カ月で200万個完売や
クリーニング洗剤卸で「クリーニングちらし」で多くの店と接触
と効果が出たケースがあった。
このように「売上UP」が独り歩きし始めて、
「選択と集中」
の基本が「ちらし」になってしまった。
しかし、実際には
「本当に恐ろしい事が潜んでいる」
という事を忘れてはいけないのだ。
あるお客様は慢性的な赤字体質で資金繰りに窮しており、
受け手を割引に出して支払いする事が常態化して、
手形で間に合わなくなると「投げ売り」して資金調達
という具合だった。
ここの社長は
「大きな船が船底の浸水を書き出しながら進む状態」
と表現されたが、
経理担当役員は「資金繰りは私の仕事」と言って、
本質的な対策を打とうとしなかった。
社長が代替わりした際に、
私が書いた金融機関向けの営業報告に
「不採算の取引を止めたら黒字化する」
と根拠のシミュレーションをつけて出した。
これが金融機関の目にとまって、
資金ショートの対策を講じて利益率の改善を実施出来た。
「売らない方が儲かる」という事を営業員に徹底して頂き、
不採算を排除したら、ホントに黒字化した。
実は、他社でメインの商品を仕入れ、他社が取り扱わない物を買う
という実態が浮かび上がり、
その他社が取り扱わない商品を受注してメーカーに引き取りに行く
ということがなくなった。
現場は在庫分だけで出荷作業が出来るようになり、
今までのように引き取り便の到着を待つ必要もなくなった。
このように「不採算」に着目して、
「選択と集中」
を実践することで、黒字化と現場改善の両面で効果を発揮した。
細かいことは省略しているが、
ホンマに「選択と集中」という戦略が功を奏した成果だった。







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